体験記

豊永 純子さん

ぬくもりを伝え、心に寄り添う。

豊永 純子さん

  • 看護師・化粧ケア専門士
  • 認定メイクセラピスト

サロン「studio jun」代表としての活動のほか、看護大学等での講演や、看護師向けサイト「看護roo!」での連載、4月からは動物看護師の専門誌「as」でも連載予定

看護師として総合病院の手術室に勤務していましたが、メイクを学び、その後は病院、介護老人保健施設での勤務と、メイクセラピストとしての活動を並行して行っています。

メイクセラピー講演

映画のヘアメイクアシスタントをしていたこともあり、その際に自分の中に生まれた違和感が、メイクセラピーとの出会いへと繋がっていきました。映画のメイクは撮影のためのものですから、撮影が終われば役者さんはメイクを落しますし、再びそのメイクをすることもありません。それは当たり前のことですが、でも、私がやりたかったメイクは、もっと日常を暮らす女性や、その周囲の人たちの記憶に残っていくメイクだと気づいたのです。例えば「こんなメイクをして仕事がしたい!」と思っている女性が、その希望を叶えることで、自分に自信を持って働けるようになったらとても嬉しい。さらに、周囲の人からも、彼女が生き生きと輝いて見えればさらに嬉しいです。日常生活はカメラで記録されていませんが、印象は多くの人の記憶に残ります。誰かの人生をメイクで応援していけたら素敵だと思います。

看護学生達と

介護施設の利用者様にメイクを施し、そのご家族に写真をプレゼントするというプロジェクトを実施していました。重度の認知症から普段は会話もままならず、笑顔も見られない方でも、私たちが伺う日はお化粧をするということだけはわかるらしく、その日は笑顔を見せてくださいます。お化粧する、と思うだけでも表情が明るく変わるんです。また、メイクアップした写真を、後日利用者様が亡くなった際に遺影として使用されたという話も多く、ご家族の方が「笑顔を遺せてよかった」「元気な頃のことを思い出せる」などと言ってくださっていたという話を施設の方からお聞きしました。メイクセラピーの効果は、ご本人に喜んでもらえるだけでなく、ご家族への癒しにも大きな意味を持ちます。

看護師とメイクセラピストの共通点は「手」を使って人を癒すことができること。ぬくもりを伝え、心に寄り添い、ケアを通して患者さんやクライアントさんに笑顔になっていただいた瞬間が、最も嬉しい瞬間です。

2015.2.13